更新日：2025年11月25日

「腹筋はあるはずなのに、シットアップがどうしてもできない…」
そう感じた経験はありませんか？ じつは、腹筋運動ができない原因は、単純に腹直筋が弱いからだけではありません。見落とされがちですが、多くの人に共通しているのが “体幹の安定性不足” です。つまり、必要な筋力はあっても、それを正しく使えるだけの土台が整っていない状態です。

体幹が安定しているというのは、身体の中心部分がしっかり支えられ、動かすべき部分と固定すべき部分をコントロールできていることをいいます。ところが、デスクワークが多かったり姿勢の乱れが続いていたりすると、体幹の中でも特に重要な インナーマッスル（腹横筋・多裂筋など） が弱り、力をうまく伝えられなくなります。その結果、腹筋をしようとしても、お腹の筋肉より先に腰や首に負担が逃げてしまい、上体を起こせなくなるのです。

姿勢も大きく関わります。猫背や反り腰の人は骨盤の角度が不適切になり、腹筋で身体を丸める動作がしづらくなります。たとえば骨盤が後ろに倒れている（後傾している）と、腹筋に力が入りにくく、クランチのような小さな動作ですら苦戦することがあります。また逆に、反り腰で腰が過剰に反っているタイプは、腹筋よりも腰の筋肉（脊柱起立筋）ばかりが働き、腹筋動作を正しく行えなくなってしまいます。

では、どうすれば体幹の安定性を高め、腹筋ができるようになるのでしょうか。ポイントは、“いきなりシットアップをしないこと”。まずはドローインやプランクといったインナーマッスルを目覚めさせるトレーニングから始めるのがおすすめです。これらは動きが少ない分、腰への負担も少なく、体幹を支える基礎を作りやすいのがメリットです。インナーが働くようになると、姿勢も自然と整い、腹筋運動で力を出せる土台が固まります。

腹筋ができないのは“努力不足”ではなく、“身体の使い方の問題”。
体幹を安定させるだけで、「できなかった腹筋が急にできるようになった」という人も少なくありません。まずは基礎を整えて、無理なくステップアップしていきましょう。

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