更新日：2025年11月26日

腹筋運動が苦手な人の多くは、「お腹の筋肉が弱いからだ」と考えがちです。しかし、実は腹筋運動ができない原因としてとても多いのが 股関節やハムストリングス（もも裏）の硬さ。筋力とはまったく別の問題で、これが妨げになっていることは意外と知られていません。
そもそも腹筋運動は、お腹の力だけで上体を起こしているわけではなく、骨盤の動きが大きく関わっています。骨盤が正しい角度で安定して動くことで、腹直筋やインナーマッスルが使いやすくなり、スムーズに身体を丸めることができます。しかし、ハムストリングスが硬いと骨盤が後ろに倒れやすく（後傾）、腹筋に力が入りにくい姿勢になります。この状態だと、いくら頑張っても腹筋にしっかり刺激が入らず、「起き上がれない」という感覚につながってしまうのです。
また、股関節の可動域が狭い人は、腹筋動作のスタート姿勢を取ろうとした時点で骨盤がロックされてしまい、身体が思うように動きません。上半身を起こしたくても股関節がうまく曲がらず、代わりに腰を反らせてしまったり、首に力が入ってしまったりと、負担が逃げる方向に動いてしまいやすいのです。これでは腹筋が働く前に別の場所が疲れてしまい、腹筋が“できない”と感じる原因になります。
特にデスクワークが多い人や、座っている時間が長い生活をしている人は要注意。座った姿勢はハムストリングスが縮んだ状態で固定されやすく、柔軟性が落ちやすいのです。気づかないうちに「もも裏がガチガチ」「股関節が全然動かない」という状態になり、腹筋運動が余計に難しくなってしまいます。

腹筋運動が苦手なのは「筋力不足だから」ではなく、「身体の準備が整っていないから」かもしれません。柔軟性を整えるだけで、驚くほど腹筋がしやすくなる人も少なくありません。まずは無理なくほぐすところから始めて、腹筋ができる体づくりを目指してみましょう。

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